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弁護士コラム Column

浪費やギャンブルを原因とする借金では自己破産できない?

2021年04月01日
名古屋丸の内本部事務所 

 破産と一言でいっても、厳密には破産に関する手続は、大きく「破産手続」と「免責手続」に分かれています。
​ 「破産手続」は、破産者の資産を換価し、破産債権者の債権を確定し、換価によって得られた金員を債権者に配当するという手続です。
 「免責手続」とは、裁判所が、破産者が破産債権者に対する債務について責任を免れることを許可してよいかを審査した上で、許可又は不許可の決定をする手続です。
 一般的に破産というと、主に「免責手続」のほうを想定されている方が多いのではないでしょうか。

 ​​ この「免責手続」において、裁判所から免責不許可の決定がなされてしまうと、借金はなくなりません。
 法律では、免責を不許可にする事由(免責不許可事由といいます。)として、①財産の隠匿・損壊・不利益処分、②手続開始遅延目的の不利益条件による債務負担や信用取引による商品買入れ・不利益処分、③非義務的偏波行為、④浪費・賭博等の射幸行為、⑤債権者を騙した詐術による借入れ、⑥虚偽の債権者名簿の提出、⑦不正の手段による破産管財人等の職務妨害、⑧免責許可申立前7年以内の免責取得、⑨破産手続中の義務違反行為、等々が定められています。
 破産を検討される方には、浪費やギャンブルを原因として借金がかさんだ方も多く、その場合には、法律上、免責不許可事由に該当します。
 もっとも、法律には、免責不許可事由があったとしても、様々な事情を考慮して裁判所の裁量によって免責が許可される場合もあることが規定されています(裁量免責といいます)。

 ​ 実務上は、免責不許可事由があったとしても、多くの事件で裁量免責により免責許可の決定が下りているのが実情です。免責の許可が難しい事例については、裁判所から破産申立ての取下げを勧告されることもありますので、申立てに対する裁量免責の正確な割合は分かりませんが、一般的には裁量免責により免責許可となる比率は高いといわれています。

 ​​免責許可が下りるかどうかの見通しなどは、専門的な知識や経験が必要となりますので、破産ができるかどうかお悩みの方は、専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。愛知総合法律事務所は、愛知県名古屋市を中心に、春日井市、小牧市、津島市、日進赤池、三河地区には岡崎市に事務所があります。愛知県以外では、三重県津市、伊勢市、岐阜県大垣市、静岡県浜松市、東京都の自由が丘にも事務所がありますので、お近くの愛知総合法律事務所までご相談下さい。

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